帰化申請の流れ


行政書士 永井国際法務事務所

VISA申請や帰化申請にまつわる内容を中心に連載形式のコラムです

帰化の申請は、どのような流れで進むのでしょうか。

結論からお伝えすると、帰化申請して書類が受理されるまでの流れは、全部で次の8つのステップが必要となります。

帰化申請の流れ
STEP 1法務局に相談予約の電話を入れる
STEP 2法務局で事前相談(提出書類の指示あり)
STEP 3書類収集をし、法務局で再度相談
STEP 4申請書を作成し、法務局で最終確認
STEP 5書類を申請し、受理してもらう
STEP6面接日時の連絡および面接
STEP 7審査
STEP 8帰化申請許可がおりる

この8ステップをすべて終えるまでには、1年半ほどかかります。

しかし、上記の全体の流れを知らないまま進めていくと、法務局への訪問や書類集めの段取りなどがわからず、余計な手間や時間がかかってしまうこともあります。

そうならないためにも、このコラムでは、以下のポイントを押さえることで、帰化申請の全体的な流れを理解できるようお伝えしていきます。

●帰化申請の全体的な流れ
●自分で帰化申請をした場合の流れと所用時間
●帰化申請で許可が下りるまでの期間
●つまずきやすいポイント など

この記事をお読みいただければ、帰化申請の大まかな流れを掴むことができ、さらに、つまずきやすいポイントや審査にかかる時間の目安なども理解していただくことができます。

ぜひ最後までお読みいただき、安心して申請作業ができるようになってください。
また帰化申請について専門家への相談を検討している方について、当事務所では無料相談(60分まで)で、帰化申請の流れ等もご説明しております。お気軽にお問合せください。

1.帰化申請について

帰化申請・日本国籍取得を検討される方が法務局のサイトをみると「帰化許可申請」については、下記のように手続名や提出方法・提出先等が明示されています。

手続名帰化許可申請
手続根拠国籍法第4条第2項
手続対象者日本に帰化しようとする外国人
提出時期随意
提出方法帰化しようとする者が15歳以上のときは本人が、15歳未満のときは親権者、後見人などの法定代理人が、法務局又は地方法務局に自ら出頭して、書面によってしなければなりません。
手数料手数料はかかりません。
添付書類・部数個人によって必要書類が異なりますので、申請を行おうとする法務局又は地方法務局に相談してください。
申請書様式申請書は、提出先に備え付けています。申請書以外にも種々の書類を提出する必要がありますし、申請書類が揃っていれば必ず許可されるものではありませんので、申請を行おうとする場合は、事前に申請を行おうとする法務局又は地方法務局に相談してください。
記載要領・記載例別紙のとおり。なお具体的には、申請を行おうとする法務局又は地方法務局に相談してください。
提出先帰化申請をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局(国籍事務取扱支局を含む)
受付時間提出先確認してください。
相談窓口提出先
審査基準ありません。
標準処理期間ありません。
不服申立方法ありません。

※引用:法務省「帰化許可申請」

https://www.moj.go.jp/ONLINE/NATIONALITY/6-2.html

上記の説明を読んだだけでは、帰化申請においてどのような準備が必要で条件として何が設けられているのか判らず、適切な準備ができない方が多いでしょう。
このコラムでは、詳細な申請の流れや気を付けていただきたいポイントをまとめておりますので、ぜひご参考にしてください。

2.帰化申請の流れ

帰化申請の流れ
STEP 1法務局に相談予約の電話を入れる
STEP 2法務局で事前相談(提出書類の指示あり)
STEP 3書類収集をし、法務局で再度相談
STEP 4申請書を作成し、法務局で最終確認
STEP 5書類を申請し、受理してもらう
STEP6面接日時の連絡および面接
STEP 7審査
STEP 8帰化申請許可がおりる

再度挙げましたが、帰化申請までに必要な8ステップは、上記のとおりです。

法務局に何度も出向いたり、書類を集めたり、色々と動き回らなければいけないことがわかります。

1つずつ各STEPを確認していきましょう。

2-1. 【STEP1】法務局に相談予約の電話を入れる


法務局に相談予約の電話(平日午前8時30分~17時15分まで)をするところから、帰化申請は始まります。

この最初の相談の場で、ご自身が帰化申請するための条件にあてはまるのかどうかを、法務局の方に判断してもらいます。

そのため、まずはお住まいのエリアがどこの法務局に属しているのかを調べ、相談日時を予約する必要があります。

法務局の窓口は基本的に混んでいるため、予約なしで急に訪れても、相談することはできません。

電話できちんと予約を取った場合でも、2週間~1か月先の予約となることがありますので、時間のゆとりを持って準備する必要があるでしょう。

【法務局の開庁時間】

法務局の開庁時間は、以下の通りです。
必ずこの時間内に電話で予約を取るようにしましょう。

開庁時間:
平日8時30~17時15分
土日、祝日休日、年末年始(12月29日~1月3日)は休み

【法務局は都道府県に点在】

法務局は各都道府県に点在しています。

あなたのお住まいのエリアが、どちらの法務局の管轄になるのかを調べて、間違いのないよう準備を進めていきましょう。管轄の法務局をお知りになりたい場合、法務局トップページから「管轄のご案内」をクリックすると、詳細な情報を確認できます。

法務省【国籍に関する相談窓口一覧(帰化、国籍取得、重国籍など)】

また、住所地によって管轄している支局が存在する場合もあります。東京法務局の場合では、東京法務局本局(国籍課)、東京法務局八王子支局、東京法務局府中支局、東京法務局西多摩支局と4拠点に分かれているため、ご自身の住所地が含まれる管轄法務局の確認をしてください。

2-2.【STEP2】法務局で事前相談(提出書類を指示される)

予約した日時に合わせて、管轄の法務局に事前相談に行きます。
相談での所要時間は、1時間程度です。

ここでは担当官に、申請者自身の家族や仕事関係について、詳細を伝えます。
この相談内容で、帰化申請ができると判断されたら、申請に必要な収集書類について指示が出ます。どのような書類が必要になるのか、しっかり確認しておきましょう。

帰化申請の際に必要となる書類は、申請者の状況に応じてさまざまにです。

参考までに、必要となる書類例を「帰化に必要な書類」でご紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

2-3.【STEP3】書類収集をし、法務局で再度相談

法務局で指示された収集書類がすべて準備できましたら、法務局に相談予約を再度取り、書類を持参します。
担当官に書類の確認をしてもらいますが、この確認にかかる時間が1~2時間程度になります。

この相談時では、法務局から以下2種類の書類が渡されることが多いです。
●帰化許可申請の手引き
●必要書類一覧表

2-4.【STEP4】申請書を作成し、法務局で最終確認

法務局で渡された「帰化許可申請の手引き」を参考にしながら、帰化申請に必要な申請書類を作成していきます。

その後、書類に不備がないかどうか、法務局に書類を持参し確認してもらいます。
法務局での確認にかかる時間は、1~2時間程度となります。

書類に不備がなければ、申請受付日時を決定してもらいます。

「申請受付日時」とは、改めてその日に申請者本人が法務局に出向き、帰化申請をすることを指します。

※ただし、東京法務局などの大きな法務局では、この日のうちに申請を受け付けてくれることがあります。

【提出書類に不備があると】

提出書類に不備があると、必要な書類がきちんと揃うまで、何度でも法務局に足を運ばなければなりません。

申請書を修正したり、不足書類を集めることで、指示された書類をひとつ残らず集めていく作業になります。

2-5.【STEP5】書類を申請し、受理してもらう

決められた日時に法務局に行き、帰化の申請書類の受理をしてもらいます。
この申請書類の受理に要する時間は、1時間程度です。

2-6.【STEP6】面接日時の連絡および面接

帰化申請の受理が終わって、約2~3か月後に法務局から面接実施の連絡が来ます。

決められた日時に法務局へ出頭し、面接を行います。
面接に要する時間は、1時間程度です。

ここで聞かれる内容は、申請書類に書いた内容の確認がメインとなります。
留学で来日した方は、その期間中のアルバイトのことを聞かれたり、帰化の動機などが聞かれることがあります。

配偶者のいる方は、面接に同席するように指示されることがあるようです。

【面接ではこんなケースも】

・面接後に自宅を訪問される
・実際勤務しているかどうかを確認するために、定期券の提示をもとめられる など

2-7.【STEP7】審査

法務局があなたの提出した書類をもとに、事実確認を取っていく審査期間になります。

この期間中に、追加で書類を出すように指示されたり、申請者への追加質問がされる場合もあります。
その時は指示に速やかに従いましょう。

この期間は、あなたの勤務先への調査や、日本人配偶者がいる場合、その実家への訪問などもあるようです。そのようなことがあっても良いように、心の準備をしておきましょう。

2-8.【STEP8】許可が決まる

申請してから許可が出るまで:平均1年半ほどです。
法務局から帰化申請の許可が下りた旨の連絡があります。

また、「官報」へも許可を受けた方の住所・氏名・生年月日が掲載されますので、インターネットから確認することも可能です。

3.帰化申請の許可が下りるまでの期間

帰化申請してから許可が下りるまでの期間は、1年ほどです。
なお、必要書類の収集に1カ月半~3カ月ほどかかりますが、書類に不備があれば、さらに日にちを要し、トータルで1年半から2年以上かかる場合もあります。

帰化申請には「普通帰化」と「簡易帰化」がありますが、帰化条件が一部緩和されている「簡易帰化」の方が、審査も早く出ると考えがちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それぞれの申請が受け付けられてから許可が出るまでは、どちらもほぼ同じ時間がかかります。

詳しく見ていきましょう。

3-1.普通帰化の場合

「普通帰化」で帰化申請をした場合、許可されるまでの時間は、1年半ほどです。

「普通帰化」とは、一般的な帰化のことを指します。

帰化を検討する多くの外国籍の方は、こちらにあてはまり、「普通帰化」の申請には、「居住要件」「能力要件」「素行要件」「生計要件」「重国籍防止要件」「思想要件」「日本語能力」の7つの条件を満たしている必要があります。

※詳しくは、別のコラム「帰化申請」で解説していますので、合わせてお読みください。

【帰化に必要な7つの条件】

3-2.簡易帰化の場合

「簡易帰化」で申請した場合でも、許可されるまでの時間も、1年半ほどです。

そもそも「簡易帰化」とは、申請者本人が日本生まれであったり、配偶者が日本人であったり、また、父母のどちらかがかつて日本国籍であったなど、日本と深い関係がある申請者があてはまります。

「簡易帰化」は「普通帰化」に比べて、「帰化に必要な7つの条件」の一部の緩和があります。

そのため、帰化許可の審査も早めに進むのではと考えがちですが、そんなことはありません。

ただし、「簡易帰化」を希望する人の中でも、「特別永住権」を持つ外国籍の方(具体的には、1945年以前から日本に住んでいた外国人=在日韓国・朝鮮人や台湾出出身者)は、帰化条件の重要な項目(①居住条件 ⑦日本語能力条件など)をすでに満たしていることも多いです。

そのため、一度受理されれば、よほどのことがない限り、帰化が許可されることが多いでしょう。

4.許可が下りた後はどうする?日本国籍取得までの4ステップ

無事、帰化申請の許可が下りたら、そこでおしまいにせず、必ず以下の手続きを行うことが重要です。

ここでは4ステップにまとめて、ご紹介します。

帰化申請許可後の手続き
STEP 1「官報」に掲載
STEP 2法務局でより「身分証明書」が交付
STEP 3「在留カード」「特別永住者証明書」を返納
STEP 4市区町村役場に「帰化届」を提出

上の表を見るとおわかりいただけるように、許可が下りて「身分証明書」が発行されたら、14日以内に「在留カード」「特別永住者証明書」を返納しなければなりません。

また、お住いの地域の役所に「帰化届」を提出する必要があります。この提出は、「身分証明書」の発行から1か月以内に行わなければなりません。

各STEPの期限が短くなっていますので、タイミングを逃さないようにしてください。

各STEP詳細を見ていきましょう。

4-1.【STEP1】「官報」に掲載

帰化申請の許可が下りたら、「官報」に申請者の氏名・住所・生年月日が掲載されます。

「官報」とは、毎日更新される国が発行する唯一の機関紙であり、インターネットで内容を閲覧することができます。
「官報」は、国の法令や公示事項を掲載して、国民に周知するためのものです。
なお、「官報」は、令和7年4月1日によるものから電子化されました。

4-2.【STEP2】法務局より「身分証明書」が交付
「官報」での発表後、法務局から連絡が来て、許可が下りた旨を告げられます。

その後、法務局を訪問する日時を予約し、法務局で「身分証明書」を受け取ります。

4-3.【STEP3】「在留カード」「特別永住者証明書」を返納

保有していた在留資格を証する「在留カード」または「特別永住者証明書」を、出入国在留管理庁に返納する必要があります。期限は、帰化許可が下りてから14日以内です。

予想以上に期間が短いので、うっかりしないように注意しましょう。

返納方法は、直接窓口へ持参するか、郵送でも可能です。

返納の際は、「身分証明書」(コピー)も提示しましょう。
郵送の場合は、コピーを同封します。

4-4.【STEP4】市区町村の役所に「帰化届」を提出

帰化許可が下りてから、1か月以内にお住いの市区町村の役場にて「帰化届」を提出する必要があります。その際には、法務局より交付された「身分証明書」(原本)も提示します。

4-5.その他済ませておきたい手続き

その他済ませておきたい手続きとして、マイナンバーカードや運転免許証、不動産の登記簿謄本などの氏名変更等があります。
忘れないように手続きを取りましょう。

【韓国籍の方】

韓国領事館にて「国籍喪失」の手続きが必要となります。こちらの手続きが抜けると、日本と韓国とで二重に戸籍が残ることになり、のちのち相続などの際にトラブルが起こりかねません。

多くの手続が存在するため、スケジュールに余裕を持って漏れなく対応することが求められます。専門家と連携をすることで、これらのスケジュールも踏まえてご案内が可能です。

5.帰化申請でつまずきがちなポイント

「帰化申請を自力でするのは難しい」とよく言われますが、申請者がつまずきがちなポイントの殆どが、「必要書類を収集」する部分に集約されます。

極端に言えば、この書類の収集だけでもしっかりできれば、帰化申請の手続きは半分終わったようなものとも言えます。

そこで、必要書類を収集するにあたり、どのような点がトラブルとなりやすいのか、代表的な事例をみていくことにしましょう。

【申請者がつまずきがちなポイントは書類収集】

① 必要書類のうち、本国から取り寄せた書類には翻訳が必要
② 必要書類が多種類あり、どこで手に入れていいかわからない
③ 必要書類には有効期限があるものもあり、申請時には期限切れになってしまうことも

5-1.必要書類のうち、本国から取り寄せた書類には翻訳が必要

本国から取り寄せなければならない必要書類があり、法務局の提出の際には日本語への翻訳・翻訳者の記名・押印が必要になります。

この本国から取り寄せる書類には、「家族関係証明書」や「婚姻証明書」などがあてはまります。

本国から書類取り寄せるとなった場合、長く日本に住み続けている外国籍の方の中には、すでに母国語での意思疎通が難しくなってしまっている方も多いことでしょう。

それにもかかわらず、本国の市区町村の窓口にあてて、書類の発行をしてくれるようやりとりするのは負担ですし、ようやく手に入れた書類であっても、そちらを正確に日本語訳するとなると、大きな手間がかかってしまいます。

※ただし、韓国籍の方の場合では、日本にある韓国領事館にて手続きが可能です。

5-2.必要書類が多種類あり、収集するのが大変
申請者の国籍や職業、家族関係や学歴などにもよりますが、用意すべき必要書類が何種類もあり、収集するのに困難である場合があります。

基本的には申請の必要書類の種類は、全部で4つあります。

① 本国や日本の市区町村の窓口から取り寄せる書類
② 自分で作成する書類
③ 自分の手元でコピーする書類
④ その他

これらすべてをたった1人で用意しなければならないのは、申請者にとって相当に高いハードルがあるかもしれません。

5-3.必要書類には有効期限があるものもあり、申請の頃には期限切れになってしまうことも

必要書類のうち、「住民票」や「登記事項証明書」などは有効期限が発行日から3か月となっています。そのため、早めに取得してしまうと、他の書類を揃えているうちに期限切れとなってしまうことがあります。

そのようにならないためにも、各書類の有効期限、取得できるまでの時間などを考慮したうえで、しっかりとスケジュールを立てておく必要があります。

6.まとめ

今回は、帰化申請の流れについてご紹介してきました。

帰化申請には全部で8ステップあり、さらに帰化許可が下りたあとは、4つのステップを期限内にこなさなければならないことをお伝えしました。

最初の8ステップを終えるまでの所用時間は、1年半程度です。

そのため、帰化申請を検討されている方は、時間に余裕を持って申請作業に着手されることをお勧めします。

この記事を参考にすることで、少しでも負担なく、日本国籍が取得できることを願っています。

【注意】本コラムは、令和7年12月時点での情報に基づき作成しています。

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