
経営管理ビザとは?取得要件・必要書類・申請の流れを徹底解説 ― Business Manager Visa in Japan: Requirements, Documents and Application Process ―
行政書士 永井国際法務事務所
VISA申請や帰化申請にまつわる内容を中心に連載形式のコラムです
はじめに
日本で会社を設立して事業を始めたい外国人に必要となる代表的な在留資格が「経営・管理」です。
一般的には「経営管理ビザ」と呼ばれています。
飲食店、貿易会社、IT企業、不動産会社など、日本国内で事業を経営する場合や、既存事業の管理者として活動する場合には、この在留資格が必要になります。
ただし、経営管理ビザは、単に会社を設立しただけでは取得できません。
入管審査では、
- 実際に事業を行う準備が整っているか
- 事業が安定的に継続できる計画になっているか
- 必要な資金や事業基盤があるか
- 経営者として適切な能力があるか
などが総合的に確認されます。
本コラムでは、経営管理ビザの概要、取得要件、必要書類、申請の流れについて、実務上のポイントを解説します。
▼ 海外の経営者を日本法人の代表取締役として招聘する場合には、通常の経営管理ビザ申請とは異なる検討事項があります。
詳しくは「外国人代表取締役を日本へ招聘する場合の経営管理ビザ」をご覧ください。
結論|経営管理ビザ取得で重要なポイントは
経営管理ビザを取得するためには、次の3点が重要です。
| ポイント | 審査内容 |
| ①事業基盤 | 事務所・資金・設備などの準備 |
| ②事業の継続性 | 実現可能な事業計画 |
| ③経営者としての適格性 | 経験・能力・日本語能力など |
特に2025年改正後は、形式的な会社設立ではなく、実際に日本で事業を継続できる体制がより重視されています。
Conclusion (Simple English)
To get a Business Manager Visa in Japan, you need:
• A real office in Japan
• A stable and realistic business plan
• Sufficient funds and clear source of money
• Management experience or relevant skills
After recent policy changes, immigration focuses more on whether your business is real and sustainable, not just company registration.
Also, visa renewal is strictly checked based on your actual business performance.
1.経営管理ビザとは?
経営管理ビザとは、正式には在留資格「経営・管理」といい、外国人が日本で事業の経営または管理を行うための在留資格です。
対象となる活動は、以下のようなものです。
- 日本で新たに事業を開始する
- 日本企業の経営者として活動する
- 既存事業の管理者として勤務する
- 海外企業の日本支店を管理する
例えば、
- 日本で飲食店を開業する
- 輸出入会社を設立する
- IT会社を立ち上げる
- 不動産会社を経営する
といった場合には、原則として経営管理ビザが必要になります。
2.経営管理ビザの取得要件
経営管理ビザ取得では、主に以下の点が審査されます。
2-1.日本国内に事業所を確保していること
経営管理ビザでは、実際に事業を行うための事務所や店舗が必要です。
単なる住所登録だけでは認められません。
必要となるポイントは、
- 独立した事業スペースがあること
- 事業目的で使用できる契約になっていること
- 事業設備が整っていること
です。
例えば、
- バーチャルオフィス
- 住所貸しサービス
- 実態のない事務所
などは認められない可能性があります。
2-2.一定規模以上の事業基盤があること
2025年改正後、経営管理ビザでは、事業規模についてより厳格な審査が行われています。
主な確認事項は、
- 資本金・出資額
- 常勤職員の雇用状況
- 事業運営体制
- 資金の形成過程
などです。
特に資本金については、改正後の基準を踏まえた準備が必要です。
また、資金については単に口座残高を示すだけではなく、
- 自己資金
- 海外からの送金記録
- 借入契約
- 資金形成の経緯
などを説明できることが重要です。
2-3.事業の安定性・継続性を説明できること
経営管理ビザでは、事業計画書が重要な審査資料になります。
入管では、
「この事業は本当に継続できるのか」
という点を確認します。
事業計画書では、
- 事業内容
- 商品・サービス
- ターゲット顧客
- 販売方法
- 売上予測
- 資金計画
- 人員計画
などを具体的に説明します。
単なる希望や目標ではなく、根拠のある計画であることが重要です。
なお、この「事業の継続性」は、ビザ取得時だけでなく更新時にも最も重要な審査ポイントとなります。更新申請では、実際の売上や事業実績に基づいて判断されるため、取得後の運営状況が大きく影響します。
2-4.経営者として必要な経験・能力があること
経営管理ビザでは、申請者自身の能力も確認されます。
具体的には、
- 経営・管理分野の学歴
- 経営経験
- 事業に関連する実務経験
などが判断材料になります。
2-5.必要な日本語能力を有していること
2025年改正後、経営管理ビザでは日本語能力についても確認されるようになりました。
事業運営に必要な日本語能力を有していることを、
- 日本語能力試験(JLPT)
- BJTビジネス日本語能力テスト
- 日本での教育歴
などにより証明します。
3.経営管理ビザ申請に必要な書類
代表的な必要書類は以下のとおりです。
外国人本人に関する書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- パスポート
- 写真
- 履歴書
- 学歴・職歴を証明する資料
- 日本語能力を証明する資料
会社・事業に関する書類
- 会社登記事項証明書
- 定款
- 事業計画書
- 収支計画書
- 事務所賃貸借契約書
- 会社案内
- 資本金の出所を説明する資料
- 許認可証明書(必要な場合)
事業内容や申請者の状況によって追加資料が必要になります。
4.経営管理ビザ取得までの流れ
申請までの一般的な流れは以下のとおりです。
| 経営管理ビザ申請の流れ | |
| STEP1 | 事業内容・会社設立内容を決定 |
| STEP2 | 会社設立・事務所確保 |
| STEP3 | 税務署への届出・許認可取得 |
| STEP4 | 事業計画書など申請資料作成 |
| STEP5 | 入管へ申請 |
| STEP6 | 審査後、許可取得 |
※ 外国人が日本で会社を設立する場合には、会社設立段階から経営管理ビザ取得を意識した準備が重要です。詳しくは「外国人の会社設立|日本で会社を作る流れとビザ取得の注意点」をご覧ください。
5.経営管理ビザが難しいと言われる理由
経営管理ビザが難しい理由は、単に書類を提出すればよい制度ではないためです。
特に重要なのは、
- 事業の実態説明
- 資金形成の説明
- 事業計画の合理性
- 会社運営体制の証明
です。
形式的な会社設立や実現性の低い事業計画では、不許可となる可能性があります。
また、取得時だけでなく、更新時にも同様のポイントが厳しく確認されます。特に、事業が計画どおりに進んでいない場合や売上が安定していない場合は、更新が認められないケースもあります。
6.まとめ
経営管理ビザは、日本で事業を行いたい外国人にとって重要な在留資格です。
取得するためには、
- 実態ある事務所を準備すること
- 十分な事業基盤を整えること
- 実現可能な事業計画を作成すること
- 経営者としての能力を説明すること
が重要です。
近年は審査が厳格化しており、単なる会社設立ではなく、継続可能な事業体制を示すことがより求められています。
申請準備の段階から必要資料を整え、事業開始後の安定運営まで見据えて準備することが、経営管理ビザ取得成功のポイントです。
また、経営管理ビザは取得後の更新も重要な手続きとなります。更新では、実際の事業実績や継続性が厳しく審査されるため、取得時とは異なるポイントへの対応が必要です。
更新の要件や審査ポイントについては、別記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
7.よくある質問(FAQ)
Q1.資本金はいくら必要ですか?
従来は「資本金500万円以上または常勤職員2名以上」が一つの目安とされてきました。
一方、近年は審査運用が厳格化しており、資本金の金額だけでなく、事業の実態や継続可能性、資金の形成過程などがより重視される傾向にあります。
そのため、形式的に基準を満たすだけではなく、実態に即した十分な事業準備が重要です。
Q2.一人会社でも経営管理ビザは取得できますか?
可能な場合もありますが、審査は慎重に行われます。
一人会社の場合は、
- 事業の実態があること
- 継続的な収益が見込めること
- 管理業務として成立していること
などが厳しく確認されます。
状況によっては不許可となるケースもあるため、事前の準備が重要です。
Q3.日本語が話せなくても取得できますか?
必須ではありませんが、事業運営に必要なコミュニケーション能力は求められます。
日本語能力試験(JLPT)などの結果や、日本での生活・業務経験を補足資料として提出すると有利になる場合があります。
Q4.事務所はレンタルオフィスでも大丈夫ですか?
利用自体は可能ですが、独立した専有スペースがあることが重要です。
バーチャルオフィスや実態のない事務所は認められない可能性があります。
Q5.赤字でも経営管理ビザは取得できますか?
設立初期であれば赤字でも問題ない場合があります。
ただし、事業計画の合理性や資金繰りの見通しが説明できない場合は、不許可となる可能性があります。
ただし、事業計画の合理性や資金繰りの見通しが説明できない場合は、不許可となる可能性があります。
なお、更新時には実際の売上や経営状況がより厳しく審査されるため、取得後の運営が重要になります。
Q6.家族を日本に呼ぶことはできますか?
経営管理ビザ取得後は、条件を満たせば配偶者や子どもを「家族滞在ビザ」で呼ぶことが可能です。
安定した収入や生活基盤が前提となります。
8.経営管理ビザのご相談について
経営管理ビザの申請では、
- 事業計画の具体性
- 資金の説明方法
- 事務所要件の適合性
- 書類全体の整合性
など、専門的な判断が必要になります。
特に近年は審査が厳格化しており、
- 「この事業内容で許可が取れるのか不安」
- 「どこまで準備すればよいかわからない」
- 「不許可にならないか事前に確認したい」
といったご相談が多くなっています。
当事務所では、経営管理ビザについて、
- 新規取得
- 更新申請
- 不許可後の再申請
まで一貫してサポートしています。
申請前の段階で適切に整理しておくことで、許可の可能性を高めることができます。
経営管理ビザについてご不明な点がある場合は、お気軽にご相談ください。
※本コラムの内容について
本コラムは、在留資格「経営・管理」に関する一般的な制度および実務上のポイントを解説したものです。
経営管理ビザの許可可否は、事業内容、資金状況、事業計画、経営体制、提出資料などを踏まえ、個別具体的に判断されます。
また、法令改正や入管の審査運用の変更により、取扱いが変更される場合があります。
そのため、本コラムの内容は特定の申請について許可を保証するものではありません。
具体的な申請にあたっては、最新の情報および個別事情を踏まえ、専門家へご相談ください。
【注意】本コラムは、令和7年12月時点での情報に基づき作成しています。
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