【特定技能】申請の流れを完全解説|採用から在留資格取得・就労開始までの手続 ― Specified Skilled Worker (SSW) Application Process in Japan|Complete Guide from Recruitment to Employment ―


行政書士 永井国際法務事務所

VISA申請や帰化申請にまつわる内容を中心に連載形式のコラムです

はじめに

特定技能制度を利用して外国人を採用する場合、単に採用契約を締結するだけでは、日本で就労を開始することはできません。

特定技能の取得には、外国人本人の要件確認、特定技能雇用契約の締結、1号特定技能外国人支援計画の作成、在留資格申請など、複数の手続を正しい順序で進める必要があります。

本コラムでは、日本国内に在留している外国人を受け入れる場合と、海外在住の外国人を受け入れる場合に分けて、必要な手続や注意点を専門家が分かりやすく解説し、「特定技能 申請の流れ」「特定技能 COE申請」など、実務で必要となる手続を体系的に整理します。

✅ このコラムの結論(Summary)

 ■ 日本語(重要ポイント

特定技能の申請は、

  • 要件確認(試験または技能実習)
  • 雇用契約の締結
  • 支援計画の作成(1号のみ)
  • 在留資格申請(国内:変更/海外:COE)
  • 許可・入国
  • 就労開始

の流れで進みます。

特に重要なのは、採用前の段階で外国人本人と受入れ企業双方が要件を満たしているか確認することです。

また、国内採用では「在留資格変更許可申請」、海外採用では「在留資格認定証明書(COE)交付申請」が必要となるため、それぞれの手続の違いを理解することが重要です。

 🔷 English (Key Points

The Specified Skilled Worker (SSW) application process follows these steps:

  1. Confirm eligibility (passing the required skill and Japanese language tests, or satisfactorily completing Technical Intern Training Program No.2)
  2. Sign an employment contract with the accepting organization
  3. Prepare a support plan (required only for Specified Skilled Worker (i) only)
  4. Apply for a status of residence:
    ・In Japan: Change of Status of Residence
    ・Overseas: Certificate of Eligibility (COE)
  5. Receive approval and enter Japan
  6. Start working

The most important step is to confirm, before recruitment, that both the foreign worker and the employer meet all requirements.

📘 実務解説編

1.特定技能を申請できる外国人

特定技能として日本で働くためには、外国人本人が一定の要件を満たす必要があります。

主なケースは以下の2つです。

技能実習2号を良好に修了した外国人

技能実習2号を良好に修了した外国人は、一定の条件を満たす場合、技能試験および日本語試験が免除されます。

ただし、原則として技能実習で修得した分野と、特定技能で従事する業務との関連性が必要です。

技能実習2号修了者の場合でも、
技能実習で修得した技能と、特定技能で従事する業務との関連性が必要です。
※関連性が認められない場合は、試験ルートが必要になる点に注意が必要です。

試験に合格して新たに特定技能を取得する外国人

技能実習経験がない外国人の場合、原則として、

  • 技能試験
  • 日本語試験

への合格が必要です。

試験内容や実施国については、特定技能の分野ごとに異なります。

▼ あわせて確認
「特定技能の試験制度・合格要件を詳しく解説」

■ 受入れ企業側にも要件があります

  • 適正な雇用契約を締結していること
  • 同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上の報酬
  • 欠格事由に該当しないこと
    (過去の法令違反歴等についても審査対象となります)
  • 支援体制を確保していること
  • 分野ごとの基準(協議会加入など)を満たしていること

これらの要件を満たしていない場合、在留資格が許可されない可能性があるため、事前確認が不可欠です。

2.日本国内に在留する外国人の特定技能申請の流れ

日本にすでに在留している外国人を特定技能として雇用する場合、以下の流れになります。

要件確認・試験合格

外国人本人が、

  • 技能試験
  • 日本語試験

の要件を満たしているか確認します。

技能実習2号修了者の場合は、試験免除の対象となるか確認します。

採用活動・面接

受入れ企業は、

  • 自社採用
  • 職業紹介機関
  • 人材紹介会社

などを利用して採用活動を行います。

採用時には、

  • 業務内容
  • 賃金
  • 勤務地
  • 労働時間
  • 支援内容

を明確に説明することが重要です。

特定技能雇用契約を締結

採用する外国人が決定したら、企業と外国人本人との間で特定技能雇用契約を締結します。

契約では、

  • 同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上の報酬
  • 適正な労働条件
  • 差別的待遇の禁止

などが求められます。

▼ あわせて確認
「特定技能雇用契約の要件」

支援計画を作成

特定技能1号外国人を受け入れる場合は、支援計画の作成が必要です。

支援内容の詳細については、以下のコラムで解説しています。

▼ あわせて確認
「1号特定技能外国人支援計画とは」
「登録支援機関とは」

在留資格変更許可申請

日本国内に在留する外国人は、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行います。

申請は原則として本人が行いますが、行政書士などの申請取次者による提出も可能です。

審査では、

  • 外国人本人の要件
  • 雇用契約の適正性
  • 企業の受入れ体制
  • 支援体制

などが確認されます。

特定技能で就労開始

許可されると、在留資格「特定技能」へ変更され、就労を開始できます。

ただし、就労開始後も、

  • 定期届出(受入れ状況・活動状況・支援実施状況等)
  • 随時届出(雇用契約変更、離職、支援体制変更等)
  • 支援状況の管理

などが必要です。

▼ あわせて確認
特定技能の届出義務を完全整理

3.海外在住外国人を特定技能で受け入れる流れ

海外在住の外国人を受け入れる場合は、国内在住者とは異なり、COE(在留資格認定証明書)の取得が必要になります。

試験合格または技能実習修了確認

海外在住者も、

  • 技能試験
  • 日本語試験

の要件確認が必要です。

技能実習2号修了者については、免除対象となる場合があります。

採用・雇用契約締結

企業が採用する外国人を決定した後、特定技能雇用契約を締結します。

契約内容は国内採用の場合と同様に、

  • 報酬
  • 労働条件
  • 支援内容

を明確にします。

支援計画作成

特定技能1号の場合、支援計画を作成します。

海外から来日する外国人の場合、日本での生活基盤がないため、入国後支援の準備が特に重要です。

在留資格認定証明書(COE)申請

受入れ企業(または行政書士等の申請取次者)が地方出入国在留管理局へCOE交付申請を行います。

主な提出書類:

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 雇用契約書
  • 支援計画書
  • 技能試験・日本語試験合格証
  • 企業関係書類

など

海外で査証(ビザ)申請

COE交付後、外国人本人が在外日本大使館・領事館で査証申請を行います。

査証が発給されると、日本への入国が可能になります。

入国・就労開始

入国後、

  • 住民登録
  • 住居確保
  • 銀行口座開設
  • 生活オリエンテーション

などの支援を行います。

その後、特定技能外国人として就労を開始します。

4.特定技能の申請で必要となる主な書類

① 外国人本人に関する書類

  • 試験合格証明書
  • 日本語試験合格証
  • パスポート
  • 在留カード等

② 雇用関係書類

  • 特定技能雇用契約書
  • 雇用条件書

③ 支援関係書類(1号の場合)

  • 支援計画書
  • 登録支援機関との契約書(委託する場合)

④ 企業関係書類

  • 会社概要資料
  • 納税関係資料
  • 社会保険関係資料

など

5.特定技能申請で注意すべきポイント

採用前の要件確認が重要

採用後に要件不足が判明すると、申請できない可能性があります。

必ず事前に、

  • 試験要件
  • 分野適合性
  • 企業要件

を確認しましょう。

入国後支援の準備が必要

特定技能制度は「採用して終わり」ではありません。

入国後も支援義務や届出義務が継続します。

申請準備には時間が必要

COE申請や在留資格変更申請には審査期間があります。

採用決定後すぐに就労できるわけではないため、余裕を持った採用計画が必要です。

6.まとめ(30秒で理解)

特定技能の申請は、

① 要件確認
② 採用・雇用契約
③ 支援計画作成
④ 在留資格申請
⑤ 許可・入国
⑥ 就労開始

という流れで進みます。

国内在住外国人の場合は「在留資格変更許可申請」、海外在住外国人の場合は「COE申請」が必要です。

特定技能制度では、採用手続だけでなく、入国後の支援・届出まで含めた継続的な管理が重要です。

7.よくある質問(FAQ)

Q. 海外在住の外国人でも特定技能として日本で働けますか?

A.
はい。技能試験・日本語試験などの要件を満たし、在留資格認定証明書の交付および査証取得を行うことで、日本で就労できます。

Q. 特定技能の申請にはどのくらい時間がかかりますか?

A.
採用開始から就労開始まで、一般的には3か月〜6か月程度かかる場合があります。

Q. 登録支援機関への委託は必須ですか?

A.
いいえ。受入れ企業が自社で支援を実施することも可能です。ただし、必要な支援体制を整備する必要があります。

Q. 特定技能2号でも支援計画は必要ですか?

A.
いいえ。1号特定技能外国人のみ支援計画の作成・実施が必要です。

Q. 特定技能は「ビザ」と同じものですか?

A.
一般的に「特定技能ビザ」と呼ばれますが、法律上は在留資格「特定技能」を取得する手続です。

Q. 特定技能外国人を採用する場合、登録支援機関は必ず必要ですか?

A.
いいえ。受入れ企業が必要な支援体制を整えて自社で実施することも可能です。ただし、支援業務を適切に実施できる体制が必要です。

■関連コラム

特定技能制度の全体像や申請手続については、以下のコラムも併せてご覧ください。

【注意】本コラムは、令和7年12月時点の制度・運用に基づいて作成しています。入管制度や運用は変更される場合があります。実際の申請では、最新の出入国在留管理庁の公表資料および個別事情をご確認ください。


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