
【保存版】特定技能外国人の採用前チェックポイント|「採用してから困る」を防ぐ7つの確認事項
― Pre-Employment Checklist for Hiring Specified Skilled Workers in Japan ―
行政書士 永井国際法務事務所
VISA申請や帰化申請にまつわる内容を中心に連載形式のコラムです
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⚠️ このコラムが特に役立つ方
- これから特定技能外国人を採用する会社
- 初めて特定技能外国人を受け入れる会社
- 技能実習生から特定技能へ移行する人を採用したい会社
- 現在の在留資格から特定技能への変更を考えている外国人を採用する会社
- 特定技能外国人の転職・転籍を受け入れたい会社
- 「面接では問題なさそうだけど、入管の申請は大丈夫?」と不安な方
- 特定技能外国人を採用した後の支援や届出について知りたい方
- 過去に特定技能の申請で書類不備や確認事項があった方
- 採用前に「この人を特定技能で雇えるのか」を確認したい方
✅ このコラムの結論(Summary)
特定技能外国人の採用では、
▶ 「この人を採用したい」だけで先に雇用契約を結ばないこと
が重要です。
採用前に、
- 外国人本人が特定技能の要件を満たしているか
- 現在の在留資格・在留期限に問題がないか
- 採用する仕事が特定技能の対象となる業務なのか
- 必要な技能試験・日本語試験等を満たしているか
- 雇用契約や報酬が特定技能の基準を満たしているか
- 会社側に受入れ要件を満たす体制があるか
- 特定技能1号の場合、支援を適切に実施できるか
を確認する必要があります。
つまり、
▶ 「人が見つかったから採用する」のではなく、「特定技能として適正に受け入れられる人か」を確認してから採用する
という順番が重要です。
特定技能の受入れでは、雇用契約が労働関係法令だけでなく、特定技能雇用契約に関する基準にも適合している必要があります。
🔰 やさしい日本語
特定技能(とくていぎのう)で外国人(がいこくじん)を雇(やと)うときは、
「この人(ひと)を雇(やと)いたい」
だけで決(き)めてはいけません。
先(さき)に、
- この人(ひと)は特定技能(とくていぎのう)で働(はたら)くことができるか
- 今(いま)の在留資格(ざいりゅうしかく)は何(なに)か
- 在留期限(ざいりゅうきげん)はいつか
- する仕事(しごと)は特定技能(とくていぎのう)の仕事(しごと)か
- 必要(ひつよう)な試験(しけん)に合格(ごうかく)しているか
- 会社(かいしゃ)は外国人(がいこくじん)を受(う)け入(い)れる準備(じゅんび)ができているか
を確認(かくにん)します。
特定技能1号(とくていぎのう1ごう)の場合(ばあい)は、外国人(がいこくじん)の生活(せいかつ)などを助(たす)ける「支援(しえん)」も必要(ひつよう)です。
▶ 採用(さいよう)する前(まえ)に確認(かくにん)することが大切(たいせつ)です。
🔷 English Summary
Hiring a Specified Skilled Worker in Japan requires more than simply finding a suitable foreign worker.
Before hiring, the company should confirm:
- whether the foreign national satisfies the requirements for the Specified Skilled Worker status;
- the applicant’s current status of residence and period of stay;
- whether the intended job falls within the relevant specified industrial field and permitted work activities;
- whether the required skills and Japanese-language requirements have been satisfied, where applicable;
- whether the employment contract and remuneration comply with the applicable requirements;
- whether the company satisfies the requirements for accepting Specified Skilled Workers; and
- for Specified Skilled Worker (i), whether an appropriate support system is in place.
The key point is:
▶ Do not start with “We want to hire this person.” Start with “Can this person legally and appropriately be accepted as a Specified Skilled Worker?”
A pre-employment check can help prevent problems after the employment contract has already been signed.
📘 実務解説編
1. 特定技能外国人の採用は「採用できるか」の確認から始める
特定技能外国人の採用では、
「面接をして、条件が合えば雇用契約を結ぶ」
という一般的な採用だけでは不十分な場合があります。
なぜなら、特定技能では、
外国人本人の要件
と、
受入れ会社側の要件
の両方を確認する必要があるからです。
さらに、
実際に従事させる仕事が、特定技能で認められている業務なのか
という点も重要です。
出入国在留管理庁の案内でも、特定技能外国人を受け入れる場合には、試験等の確認、雇用契約の締結、1号の場合の支援計画の策定などの手続が示されています。
したがって、採用前の確認事項を整理すると、
外国人本人 → 仕事内容 → 技能・日本語要件 → 雇用契約 → 受入れ機関 → 支援 → 申請
という順番で確認していくと整理しやすくなります。
2. チェック①|外国人本人の在留資格を確認する
まず確認したいのが、
▶ 現在、その外国人がどの在留資格で日本にいるのか
です。
例えば、
- 留学
- 技能実習
- 特定技能1号
- 技術・人文知識・国際業務
- 家族滞在
など、現在の在留資格によって、特定技能への変更手続や確認事項が異なります。
また、
在留期限
も必ず確認します。
在留期限が近い場合、
「採用を決めてから申請すればいい」
と考えていると、スケジュールが間に合わなくなることがあります。
そのため、採用前に、
✔ 在留カード
✔ 現在の在留資格
✔ 在留期限
✔ パスポート
✔ これまでの在留状況・転職歴等
などを確認しておくことが重要です。
3. チェック②|その仕事は「特定技能の対象」なのか
次に重要なのが、
▶ 実際に任せる仕事が、特定技能で認められている業務なのか
という点です。
会社側が、
「人手不足なので、この仕事をしてもらいたい」
と考えていても、その仕事が特定技能の対象業務に該当するとは限りません。
特定技能は、分野ごとに従事できる業務が定められています。
出入国在留管理庁も、各分野で従事できる業務について、分野別の「特定の分野に係る要領別冊」を確認するよう案内しています。
したがって、
「会社の業種」だけではなく、「外国人に実際に何の仕事をさせるのか」
まで確認する必要があります。
例えば、
- 「飲食店だから外食業」
- 「建設会社だから建設分野」
というだけで判断するのではなく、
具体的な業務内容が分野別の要件に合っているか
を確認することが重要です。
4. チェック③|技能試験・日本語能力等を確認する
特定技能では、分野等に応じて、技能試験や日本語能力に関する要件を満たす必要があります。
そのため採用前に、
✔ 必要な技能試験に合格しているか
✔ 必要な日本語能力に関する要件を満たしているか
✔ 技能実習2号を良好に修了すること等による試験免除に該当するか
✔ その他、分野別に必要な要件を満たしているか
を確認します。
ここで注意したいのは、
▶ 「特定技能の試験に合格している=その会社で必ず働ける」ではない
ということです。
試験とは別に、
- 仕事内容
- 雇用契約
- 受入れ機関
- 支援体制
- その他の在留資格上の要件
なども確認する必要があります。
5. チェック④|雇用契約・給与・労働条件を確認する
特定技能外国人を採用する場合、雇用契約についても確認が必要です。
単に、
「日本人と同じような雇用契約書を作った」
だけでは十分とは限りません。
特定技能雇用契約については、労働関係法令を遵守することに加え、特定技能雇用契約に関する基準を満たす必要があります。
例えば、
✔ 業務内容
✔ 雇用期間
✔ 労働時間
✔ 休日
✔ 報酬
✔ 社会保険
✔ 労働保険
✔ その他の労働条件
について確認します。
特に、
▶ 報酬が適切か
は重要です。
「外国人だから」という理由だけで、日本人が従事する場合の報酬より低い報酬を設定することはできません。
採用前に、同じ仕事をする日本人等との待遇も含めて確認しておくことが重要です。
6. チェック⑤|会社側が「受入れ機関」として問題ないか
特定技能では、外国人本人だけでなく、
▶ 受入れ会社側の要件
も確認する必要があります。
そのため、
- 会社の事業内容
- 過去の法令違反等の状況
- 労働関係法令の遵守状況
- 社会保険・税務関係
- 適切な雇用管理体制
- 特定技能外国人を受け入れるための必要な体制
などを確認します。
つまり、
「外国人本人に問題がないから採用できる」
というわけではありません。
会社側が適正な受入れ機関として要件を満たしているか
も重要です。
7. チェック⑥|特定技能1号なら「支援」ができるか
特定技能1号を採用する場合には、ここが特に重要です。
1号特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ機関は1号特定技能外国人支援計画を作成し、その計画に基づいて、外国人が日本で安定して働き、生活できるよう必要な支援を行う必要があります。
支援には、例えば、
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーション
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 定期的な面談
- 行政手続等の支援
などがあります。
そのため、
「採用が決まったら、あとで支援計画を考える」
のではなく、
▶ 採用前から「誰が、どのように支援するのか」を考えておく
ことが重要です。
支援計画は在留申請時に提出する必要があります。
8. チェック⑦|会社が自社で支援するのか、登録支援機関に委託するのか
1号特定技能外国人の支援は、
受入れ会社が自ら行う
方法と、
登録支援機関に委託する
方法があります。
採用前には、
「支援は誰が担当するのか」
を決めておくことが重要です。
例えば、
自社で支援する場合
✔ 支援責任者を決める
✔ 支援担当者を決める
✔ 外国人が十分理解できる言語で支援できる体制を確認する
✔ 支援記録を適切に管理する
などを検討します。
登録支援機関に委託する場合
✔ 登録支援機関を選ぶ
✔ 支援委託契約を確認する
✔ 支援内容・費用を確認する
✔ 外国人との相談体制を確認する
などが必要です。
なお、出入国在留管理庁は、支援に必要な言語について、外国人が「内容を余すことなく理解できる」言語による体制が必要であると説明しています。
9. 採用前に確認したい「意外なポイント」|本人の経歴だけで判断しない
採用面接では、
- 「日本語が上手だから大丈夫」
- 「技能実習をしていたから大丈夫」
- 「前の会社で特定技能だったから大丈夫」
と考えてしまうことがあります。
しかし、入管手続では、
現在の在留資格・過去の在留状況・仕事内容・雇用契約・会社側の要件
を総合的に確認する必要があります。
特に転職者の場合には、
- 現在の雇用状況
- 前職の仕事内容
- 退職理由
- 転職時期
- 必要な届出の状況
- 新しい仕事が特定技能の対象となるか
などを確認しておくと安心です。
10. 「採用を先にして、あとから入管申請」は危険
実務上、特に注意したいのが、
▶ 「とりあえず採用して、あとで在留資格を確認する」
という進め方です。
特定技能への在留資格変更が必要なケースでは、申請・許可の前提となる要件があります。
そのため、
採用決定
⬇
雇用契約
⬇
入管申請
という流れだけを見るのではなく、
採用前の要件確認
⬇
雇用条件の整理
⬇
必要な試験・資格等の確認
⬇
雇用契約
⬇
支援計画の策定(1号)
⬇
在留申請
という流れで、「特定技能採用の正しい進め方」を意識することが重要です。
11. 採用前チェックリスト|最低限ここまで確認
採用前には、次の項目を確認しておきましょう。
【外国人本人】
☑ 現在の在留資格
☑ 在留期限
☑ 在留カードの内容
☑ 特定技能の要件
☑ 必要な技能試験等
☑ 日本語能力に関する要件
☑ 技能実習修了等による試験免除の有無
☑ 過去の在留状況
【仕事内容】
☑ 特定技能の対象分野か
☑ 実際の業務内容が対象業務に該当するか
☑ 分野別要件を満たしているか
【雇用条件】
☑ 雇用契約の内容
☑ 報酬
☑ 労働時間
☑ 休日・休暇
☑ 社会保険
☑ 労働保険
☑ その他の労働条件
【会社】
☑ 受入れ機関としての要件
☑ 労働関係法令の遵守状況
☑ 納税・社会保険の加入・保険料納付等
☑ 外国人を適切に雇用管理できる体制
☑ 地方公共団体の共生施策への協力に関する確認
【支援】
☑ 1号か2号か
☑ 1号の場合の支援体制
☑ 支援責任者・支援担当者
☑ 対応言語
☑ 登録支援機関への委託の有無
☑ 支援計画の準備
【申請・届出】
☑ 必要な在留申請
☑ 必要書類
☑ 申請時期
☑ 採用後に必要となる届出の有無
☑ 在留期限から逆算したスケジュール
12. 採用前チェックで特に重要な「7つの質問」
採用担当者が最初に確認するなら、次の7つに絞ると分かりやすいでしょう。
① 今の在留資格は何か?
② 在留期限はいつか?
③ これから任せる仕事は特定技能の対象か?
④ 必要な技能試験・日本語能力等の要件を満たしているか?
⑤ 雇用契約・給与・労働条件に問題はないか?
⑥ 会社側が特定技能の受入れ要件を満たしているか?
⑦ 1号なら、支援を誰がどのように行うのか?
この7点を採用前に確認するだけでも、
「採用した後に、実は特定技能で受け入れられない」
というリスクを減らすことができます。
13. よくある質問(FAQ)
Q1.面接で採用を決めてから、特定技能の条件を確認してもいいですか?
A.はい。できる限り、採用を正式に決定する前に確認することをおすすめします。
特定技能では、外国人本人だけでなく、仕事内容、雇用契約、受入れ会社、支援体制などについても確認が必要だからです。
Q2.技能実習生だった人なら、すぐ特定技能で採用できますか?
A.必ずしもそうではありません。
技能実習の修了状況、職種・作業と特定技能の分野との関係、その他の要件を確認する必要があります。
Q3.日本語が上手なら、日本語試験は必要ありませんか?
A.一律には判断できません。
分野や本人の経歴等によって、必要な試験や免除の扱いが異なるため、申請時の要件を確認する必要があります。
Q4.特定技能1号なら、会社は必ず登録支援機関に委託しなければなりませんか?
A.必ずしもそうではありません。
一定の要件を満たす受入れ会社が自ら支援を行うこともできます。また、支援の全部を登録支援機関に委託することもできます。
Q5.特定技能2号なら支援計画は必要ですか?
A.1号特定技能外国人支援計画は、特定技能1号を対象とする制度です。特定技能2号については、1号と同じ支援計画の制度ではありません。
Q6.採用後に特定技能の申請が不許可になったらどうなりますか?
A.現在の在留資格や在留期限、雇用状況などによって対応が異なります。
そのため、採用前から在留資格変更等の可能性を確認しておくことが重要です。
📘まとめ|特定技能の採用は「採用前」が勝負
特定技能外国人の採用では、
「良い人材を見つけること」
だけがゴールではありません。
重要なのは、
✔ 外国人本人の要件
✔ 仕事内容
✔ 技能・日本語等の要件
✔ 雇用契約
✔ 報酬・労働条件
✔ 会社側の受入れ要件
✔ 1号の場合の支援体制
✔ 申請・届出
を、採用前に一つずつ確認することです。
特に、
▶ 「採用してから入管の条件を確認する」のではなく、「入管上の受入れ可能性を確認してから採用する」
という順番が重要です。
特定技能制度は、分野別の要件や届出、支援制度などが関係するため、制度だけでなく、最新の出入国在留管理庁の案内も確認する必要があります。
なお、特定技能制度については今後も制度改正が予定されています。特に支援体制については、令和9年(2027年)4月1日施行予定の改正が案内されています。採用時には、採用予定者の要件だけでなく、申請時点で施行されている最新の制度も確認することが重要です。
したがって、
「今の制度では大丈夫だから、そのままでいい」
ではなく、
「申請する時点の最新要件を確認する」
ことも重要です。
📞 特定技能外国人の採用を検討している企業の方へ
- 「この外国人を特定技能で採用できる?」
- 「今の在留資格から変更できる?」
- 「この仕事は特定技能の対象になる?」
- 「雇用契約の内容に問題はない?」
- 「1号の場合、支援計画はどうすればいい?」
- 「登録支援機関に委託した方がいい?」
このような場合には、採用を決める前に、制度上の要件を確認しておくことが重要です。
当事務所では、
- 特定技能外国人の採用前チェック
- 在留資格・在留期限の確認
- 特定技能の対象分野・業務の確認
- 技能・日本語等の要件確認
- 雇用契約・労働条件の確認
- 1号特定技能外国人支援計画の確認
- 必要書類・申請手続の確認
- 採用から申請までのスケジュール整理
を実務ベースでサポートしています。
「採用してから問題が分かる」のを避けたい企業の方は、採用前にご相談ください。
初回相談は無料です。
▶ 無料相談・事前診断はこちら
(受入れ予定の外国人と会社の状況を実務ベースで確認します)
※本コラムは、特定技能制度に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の在留資格変更・在留申請の許可を保証するものではありません。特定技能の対象分野、業務内容、試験、雇用契約、受入れ機関、支援体制、届出等の要件は、法令・告示・分野別運用要領等の改正により変更される場合があります。申請・届出を行う際には、最新の出入国在留管理庁等の案内を確認してください。







