
【実務解説】留学ビザから就労ビザへ変更する方法|卒業後の就職・必要書類・審査ポイントを徹底解説
― Changing from a Student Status to a Work Status in Japan|Requirements, Documents & Key Screening Points ―
行政書士 永井国際法務事務所
VISA申請や帰化申請にまつわる内容を中心に連載形式のコラムです
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⚠️ このコラムが特に役立つ方
- 日本の大学を卒業して日本企業に就職する外国人
- 日本の専門学校を卒業して就職する外国人
- 留学生を採用する日本企業
- 外国人留学生の採用を担当する人事・総務担当者
- 留学生の在留資格変更をサポートする方
- 「技術・人文知識・国際業務」への変更を検討している方
- 卒業後も日本で就職活動を続けたい方
✅ このコラムの結論(Summary)
「留学」の在留資格を持つ外国人が日本企業に就職する場合、就職する仕事に応じた就労可能な在留資格への変更が必要です。
特に一般的なのが、
「技術・人文知識・国際業務」
への変更です。
ただし、単に、
「大学を卒業した」
「日本企業から内定をもらった」
というだけで許可されるわけではありません。
審査では、主に次の点が重要となります。
| 審査ポイント | 確認される内容 |
| 仕事内容 | 希望する在留資格に該当する業務か |
| 専門性 | 大学・専門学校等で学んだ内容との関連性 |
| 雇用契約 | 雇用期間、職務内容、報酬等 |
| 報酬 | 日本人が従事する場合と同等額以上か |
| 会社 | 事業の安定性・継続性、適正な雇用体制 |
| 本人 | 学業・在留状況等 |
| 書類 | 仕事内容・雇用条件・会社概要等を適切に説明できるか |
特に重要なのは、「会社が外国人を採用したいか」ではなく、「実際に行う仕事内容が希望する在留資格に該当するか」という点です。
🔰 やさしい日本語
日本の大学や専門学校を卒業して、日本の会社で働く外国人は、在留資格を変更する必要があります。
「留学」の在留資格は、学校で勉強するための在留資格です。
卒業して会社で働く場合は、仕事に合った在留資格が必要です。
多くの場合、
技術・人文知識・国際業務
という在留資格への変更を考えます。
しかし、
「大学を卒業した」
「会社から内定をもらった」
だけでは、必ず許可されるわけではありません。
会社でする仕事、学校で勉強したこと、給料、会社の状況などを確認する必要があります。
🔷 English Summary
International students who graduate from a university or vocational school in Japan and wish to work for a Japanese company generally need to change their status of residence from “Student” to an appropriate work status.
One of the most common work statuses is “Engineer / Specialist in Humanities / International Services.”
However, graduation and a job offer do not automatically guarantee approval.
Immigration authorities examine factors such as:
- the actual job duties;
- the relationship between the job and the applicant’s academic background;
- salary and employment conditions;
- the stability and continuity of the hiring company; and
- the applicant’s immigration and academic history.
Therefore, it is important to determine whether the proposed job actually falls within the scope of the intended status of residence before submitting the application.
📘 実務解説編
1.「留学ビザ」から「就労ビザ」へ変更するとは?
一般に「留学ビザ」「就労ビザ」と呼ばれていますが、正確には在留資格です。
「留学」は、日本の大学、専門学校、高等学校等で教育を受けるための在留資格です。
一方、日本企業で一定の専門的な仕事をする場合には、その仕事内容に応じた就労可能な在留資格が必要となります。
そのため、
留学
⬇
卒業
⬇
日本企業に就職
⬇
就職する仕事に対応した在留資格へ変更
という流れが基本となります。
2.最も一般的なのが「技術・人文知識・国際業務」
外国人留学生が日本企業に就職する場合、特に多いのが、
技術・人文知識・国際業務
への変更です。
この在留資格では、例えば、
- システムエンジニア
- プログラマー
- IT関連業務
- 経理
- 財務
- 人事
- 総務
- 法務
- 営業
- 貿易業務
- 通訳・翻訳
- 海外取引業務
- マーケティング
- 商品企画
- 一定のホテル業務
など、一定の専門的知識・技術や外国文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務が対象となります。
ただし、職種名だけで判断することはできません。
例えば「営業」という職種名であっても、実際の業務内容によって判断は変わります。
そのため、
「営業職だから技術・人文知識・国際業務」
という単純な判断ではなく、実際に何をする仕事なのかを確認することが重要です。
出入国在留管理庁も、「技術・人文知識・国際業務」について、自然科学・人文科学の専門的知識等を必要とする業務や、外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務について、具体的な考え方を示しています。
▼【保存版】技術・人文知識・国際業務とは?|仕事内容・学歴要件・必要書類・不許可につながりやすいケースを徹底解説
3.「大学を卒業すれば就労ビザが取れる」は間違い
留学生からよくある誤解が、
「日本の大学を卒業すれば、就労ビザを取れる」
というものです。
これは正確ではありません。
大学を卒業したことは重要な要素ですが、在留資格変更では、卒業したことだけではなく、就職後に行う具体的な活動が在留資格に該当することが必要です。
例えば、大学で経済学を専攻した外国人が、日本企業で経理・財務・マーケティング等の専門的な業務に従事する場合には、学んだ専門知識と仕事内容との関係を説明しやすいでしょう。
一方、大学で専門的な学習をしていても、就職後の仕事内容が単純な現場作業中心である場合には、別の検討が必要となります。
▼【実務解説】留学から就職への在留資格変更|技術・人文知識・国際業務の必要書類と注意点
4.最初に確認すべきなのは「仕事内容」
在留資格変更を考える場合、最初に確認すべきなのは、外国人本人の学歴よりも先に、就職後の具体的な仕事内容です。
例えば、求人票に、
「総合職」
と書いてあるだけでは十分ではありません。
実際に、
- 営業なのか
- 経理なのか
- 通訳なのか
- システム開発なのか
- 商品企画なのか
- 店舗での接客なのか
- 製造現場での作業なのか
を具体的に確認する必要があります。
入管審査では、肩書や求人票上の名称だけではなく、実際に従事する業務の内容が重要だからです。
5.「学歴」と「仕事内容」の関連性
「技術・人文知識・国際業務」への変更では、学歴・専攻等と仕事内容との関係が重要なポイントとなります。
例えば、
経済学部 → 経理・財務・マーケティング
比較的説明しやすいケースです。
情報系学部 → システムエンジニア
専門性との関係が明確です。
外国語・国際関係 → 通訳・翻訳・海外取引
学んだ内容との関係を説明しやすいでしょう。
一方、
経済学部 → 製造ラインでの単純作業
というような場合には、仕事内容そのものが在留資格の対象となるのかを慎重に検討する必要があります。
6.大学卒業と専門学校卒業では確認ポイントが異なる
留学生には、
- 大学
- 短期大学
- 専門学校
- 高等専門学校
など、さまざまな教育機関の卒業者がいます。
特に専門学校卒業者の場合には、専攻・専門課程と就職後の仕事内容との関係を丁寧に確認することが重要です。
「専門学校を卒業したから何でも就職できる」というわけではありません。
どの課程を修了したのか、その課程で何を学んだのか、そして就職後にどのような業務を行うのかを確認する必要があります。
7.「会社が採用したい」だけでは足りない
企業側から、
「本人は優秀なので採用したい」
「日本語も上手なので問題ない」
「会社としては普通の社員と同じ仕事をしてもらう予定」
という相談を受けることがあります。
しかし、在留資格の審査では、会社側の評価だけで判断されるわけではありません。
重要なのは、
「その仕事が外国人本人に認められる在留資格の活動に該当するか」
です。
したがって、採用を決める前に仕事内容と在留資格の関係を確認しておくことが重要です。
8.給与・雇用条件も審査される
在留資格変更では、仕事内容だけでなく、雇用条件も確認されます。
特に、
- 給与
- 雇用期間
- 勤務時間
- 職務内容
- 雇用形態
などを確認する必要があります。
「外国人だから日本人より安い給与でよい」という考え方は適切ではありません。
「技術・人文知識・国際業務」についても、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬であることが求められます。
そのため、単に「最低賃金以上だから問題ない」と考えるのではなく、同じような業務を行う日本人との比較も含めて適切な報酬設定になっているかを確認することが重要です。
9.雇用する会社についても審査される
在留資格変更は、外国人本人だけを審査する手続ではありません。
就職先となる会社についても、
- 会社の事業内容
- 事業の安定性・継続性
- 雇用条件
- 実際の職務内容
- 申請人が担当する業務の具体性・必要性
などが確認されます。
そのため、
「本人の学歴が立派だから大丈夫」
とは限りません。
本人と会社の双方について、申請内容を整える必要があります。
10.必要書類は会社のカテゴリーによって異なる
「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更では、出入国在留管理庁が会社のカテゴリーごとの提出書類一覧を公表しています。
一般的には、
- 在留資格変更許可申請書
- 写真
- パスポート
- 在留カード
- 卒業証明書等
- 雇用契約書等
- 会社の概要を明らかにする資料
- 事業内容を明らかにする資料
- その他、審査上必要となる資料
などを準備します。
ただし、すべての会社で同じ書類を提出するわけではありません。
会社のカテゴリーや申請内容によって必要書類が異なるため、最新の提出書類一覧を確認する必要があります。
また、申請後の審査において、追加資料の提出を求められることもあります。
▼【保存版】在留資格変更の必要書類・申請手続きを徹底解説|失敗しない準備と審査のポイント
11.卒業証明書は早めに準備する
留学生の在留資格変更では、卒業・修了を証明する資料が重要です。
特に、
「卒業式が終わってから申請すればよい」
と考えていると、入社時期との関係で時間的に余裕がなくなることがあります。
卒業見込みの段階から、
- 卒業予定時期
- 卒業証明書の発行時期
- 成績証明書等の取得時期
- 入社予定日
- 現在の在留期限
を確認しておくことをおすすめします。
12.申請はできるだけ早めに準備する
留学生の場合、4月入社の企業が多いため、在留資格変更申請が集中する時期があります。
そのため、
内定をもらった
⬇
すぐに申請書類を準備する
⬇
卒業・修了に関する書類を準備する
⬇
在留資格変更許可申請
という流れで、早めに準備することが重要です。
出入国在留管理庁も、4月からの就労開始を希望する場合には、前年12月1日から1月末までの間に申請するよう案内しています。
申請後の審査状況によっては、追加資料を求められる場合もあります。
▼【実務解説】在留資格変更で失敗しない!許可される条件・審査ポイント・不許可事例を完全解説
13.現在の「留学」の在留期間が残っていても注意
「留学」の在留期間がまだ残っているからといって、卒業後もそのまま就職できるわけではありません。
「留学」は教育を受ける活動のための在留資格です。
卒業後に就職して就労資格に該当する活動を行う場合には、その活動に対応した在留資格への変更を適切な時期に行う必要があります。
出入国在留管理庁も、現在の在留資格とは異なる活動を行おうとする場合には、速やかに在留資格変更許可申請をするよう案内しています。
14.卒業前に在留資格変更申請をすることもできる
留学生の場合、卒業してから初めて申請準備を始める必要はありません。
卒業後に就職することが決まっている場合には、卒業前から在留資格変更許可申請の準備を進め、一定の場合には卒業前に申請することもできます。
ただし、実際の許可に関係する卒業・修了の確認や申請時期については、個別の状況に応じて判断する必要があります。
15.卒業後に就職先が決まっていない場合
では、大学を卒業したものの、まだ就職先が決まっていない場合はどうなるのでしょうか。
この場合、「留学」のまま無期限に日本に滞在できるわけではありません。
一方、一定の要件を満たす場合には、**就職活動を継続するための「特定活動」**への変更が認められる制度があります。
大学等を卒業した留学生について、卒業後も就職活動を継続する場合には、一定の条件の下で「特定活動」への変更が可能です。
したがって、
「卒業したけれど、まだ内定がない」
という場合には、現在の在留期限だけでなく、卒業後の在留資格について早めに確認することが重要です。
16.就職活動を続けるための「特定活動」
大学等を卒業した外国人留学生については、一定の要件を満たせば、継続就職活動を目的とする「特定活動」への変更が認められる場合があります。
さらに、大学等卒業後に就職先が内定し、採用までの期間について日本に滞在したい場合には、一定の条件の下で、内定者向けの「特定活動」への変更が認められる制度もあります。
つまり、卒業後の状況によって、
- 就職先が決まっている
- 就職活動を継続している
- 内定はあるが入社まで期間がある
など、必要となる在留資格の検討が異なります。
内定後の特定活動には、内定後1年以内かつ卒業後1年6月以内に採用されることなど、一定の要件があります。
▼【実務解説】留学から特定技能へ変更するには?|卒業後の要件・必要書類・申請手続きを徹底解説
▼【実務解説】留学生が卒業後も日本で就職活動を続けるには?|「特定活動」への変更要件・必要書類・注意点
17.卒業後の「特定活動」への変更は早めに確認する
「卒業したけれど就職先が決まっていない」というケースでは、
「まだ留学の在留期限が残っているから大丈夫」
と考えてしまうことがあります。
しかし、卒業すると「留学」に該当する活動を行っていない状態になるため、卒業後の在留資格について適切に対応する必要があります。
出入国在留管理庁も、卒業後に内定を得て採用まで滞在する場合の「特定活動」について、対象者や提出書類等を案内しています。
18.資格外活動許可のアルバイトにも注意
「留学」の在留資格で在学中にアルバイトをする場合、原則として資格外活動許可が必要です。
しかし、資格外活動許可があるからといって、卒業後も同じアルバイトを自由に続けられるわけではありません。
出入国在留管理庁も、「留学」の在留資格で本来の活動を行う傍らアルバイト等をする場合には、資格外活動許可が必要であると案内しています。
卒業後にアルバイトを継続する場合には、その時点の在留資格と許可内容を改めて確認する必要があります。
19.不許可になりやすいケース① 仕事内容と専攻が合っていない
典型的な問題が、
大学では専門的な分野を学んだ
↓
就職先では専門性を必要としない業務を行う
というケースです。
例えば、専門的な知識を必要とする在留資格を申請するにもかかわらず、実際には、
- 商品の陳列
- 清掃
- 単純な調理
- 工場での単純作業
- 店舗での単純作業
などが中心となっている場合には、仕事内容が在留資格の活動に該当するか慎重な検討が必要です。
20.不許可になりやすいケース②「総合職」としか説明できない
「総合職」という名称だけでは、仕事内容が分かりません。
例えば、
入社後は総合職として会社の業務全般に従事する
という説明だけでは、
- 具体的に何をするのか
- 専門的な業務なのか
- 在留資格に該当する業務なのか
が不明確です。
そのため、
具体的な職務内容を明確にすること
が重要です。
21.不許可になりやすいケース③ 学歴との関連性を説明できない
「技術・人文知識・国際業務」では、仕事内容と本人の専門的知識等との関係が重要です。
例えば、
大学で何を学んだのか
⬇
その知識が就職先でどのように使われるのか
⬇
その仕事がなぜ専門的知識を必要とするのか
という流れを説明できるようにしておくことが重要です。
単に「大学を卒業した」という事実だけではなく、学歴と仕事内容のつながりを確認する必要があります。
22.不許可になりやすいケース④ 会社側の説明が不十分
本人側に問題がなくても、会社側の資料が十分でない場合があります。
例えば、
- 会社の事業内容が分からない
- 申請人が担当する具体的な業務内容を説明できない
- その業務が会社の事業の中でどのような位置付けなのか説明できない
- 雇用条件が不明確
- 会社の事業実態を十分に説明できない
などです。
そのため、在留資格変更は、本人の書類だけを準備すればよい手続ではありません。
会社側と本人側の双方で準備する必要があります。
23.不許可になりやすいケース⑤ 卒業後の在留資格を放置する
卒業後も「留学」の在留資格のまま何も対応しないことも避けるべきです。
卒業後の状況が、
- 就職先が決まっている
- 就職活動を続けている
- 内定があるが入社まで時間がある
のいずれなのかによって、必要な手続が異なります。
「とりあえず在留期限までは日本にいられる」と考えるのではなく、卒業後の活動に対応する在留資格を早めに確認することが重要です。
24.留学生の在留資格変更で会社側が準備すること
留学生を採用する会社では、本人任せにせず、会社側でも次の事項を整理しておくことをおすすめします。
会社側チェックリスト
□ 具体的な職務内容を整理した
□ 雇用契約書を準備した
□ 給与・雇用条件を確認した
□ 会社の事業内容を説明できるようにした
□ 申請人を採用する理由を整理した
□ 学歴・専攻と仕事内容の関係を確認した
□ 入社予定日を確認した
□ 申請人の現在の在留期限を確認した
□ 在留資格変更の準備時期を確認した
25.留学生本人が準備すること
外国人本人も、次のような資料を早めに準備しておくとよいでしょう。
□ パスポート
□ 在留カード
□ 卒業証明書・卒業見込証明書等
□ 成績証明書等
□ 履歴書
□ 雇用契約書・採用通知書等
□ 仕事内容に関する資料
□ 現在の在留資格・在留期限の確認
なお、実際に必要となる提出書類は、申請する在留資格や就職先の状況等によって異なります。
26.在留資格変更申請の基本的な流れ
留学生が日本企業に就職する場合、基本的には次のような流れになります。
STEP 1 就職先を決める
まず、就職先と具体的な仕事内容を確認します。
STEP 2 仕事内容と在留資格を確認する
仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」など、どの在留資格に該当するかを確認します。
STEP 3 学歴・専攻との関係を確認する
仕事内容と大学・専門学校等で学んだ内容との関係を確認します。
STEP 4 会社側の資料を準備する
雇用契約書、会社概要、事業内容等の資料を準備します。
STEP 5 本人側の資料を準備する
卒業証明書等の必要書類を準備します。
STEP 6 在留資格変更許可申請
現在の「留学」から、就職する仕事に対応する在留資格への変更を申請します。
STEP 7 審査
仕事内容、本人の学歴・経歴、会社、雇用条件等について審査されます。
STEP 8 許可後に就職
在留資格変更が許可された後、適切な在留資格で就労を開始します。
27.申請後に追加資料を求められることもある
在留資格変更許可申請では、最初に提出した資料だけで審査が完了するとは限りません。
審査の過程で、
「この仕事内容について、さらに詳しく説明してください」
「会社の事業内容を確認できる資料を提出してください」
など、追加資料の提出を求められる場合があります。
そのため、申請書に記載した内容と提出資料の内容を一致させ、第三者が見ても仕事内容や雇用関係が分かる状態にしておくことが重要です。
28.在留資格変更の申請先
在留資格変更許可申請は、原則として、申請人が住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。
また、一定の条件を満たす場合には、在留申請オンラインシステムを利用した申請も可能です。
具体的な申請方法については、最新の出入国在留管理庁の案内を確認する必要があります。
29.「留学から就労」ではなく、仕事内容によって別の在留資格になる場合もある
「留学」から就職する場合、必ず「技術・人文知識・国際業務」になるわけではありません。
例えば、就職先・仕事内容によっては、
- 教育
- 介護
- 研究
- 技術・人文知識・国際業務
- 特定技能
- その他の就労資格
など、別の在留資格が問題となる場合があります。
そのため、
「留学生だから技術・人文知識・国際業務」
と最初から決めつけるのではなく、実際の仕事内容から適切な在留資格を検討することが重要です。
30.特定技能への変更という選択肢
留学生が卒業後、特定の分野で就労する場合には、「特定技能」への変更が問題となるケースもあります。
ただし、特定技能には対象となる分野・業務、技能試験、日本語能力、受入れ機関の要件などがあります。
したがって、
「技術・人文知識・国際業務が難しそうだから特定技能」
という単純な選択ではなく、本人の仕事内容と制度上の要件を確認する必要があります。
▼ 特定技能について確認する
【実務解説】特定技能外国人を雇用するには?|企業の要件・支援・届出を徹底解説
31.留学生の就職では「採用前」の確認が重要
留学生の在留資格変更でトラブルを避けるためには、内定を出した後ではなく、採用を決める段階から在留資格を確認することが重要です。
例えば、
「この人を採用したい」
という判断だけで先に採用を決め、
「さて、在留資格変更はできるのか?」
と後から確認すると、仕事内容の見直しが必要になることがあります。
企業としては、
採用予定者の学歴・専攻 × 実際の仕事内容 × 雇用条件 × 会社の事業内容
をセットで確認することをおすすめします。
▼【実務解説】外国人雇用で会社が注意すべき7つのポイント|在留資格・仕事内容・更新・届出を徹底解説
32.留学生の採用で専門家への相談をおすすめするケース
次のような場合には、在留資格変更の申請前に専門家へ相談することをおすすめします。
- 大学の専攻と仕事内容が大きく異なる
- 専門学校卒業者を採用する
- 「総合職」として採用する
- 接客・店舗業務を含む
- 製造・現場業務を含む
- 技術・人文知識・国際業務に該当するか判断が難しい
- 特定技能など別の在留資格も検討している
- 卒業後の就職先が決まっていない
- 内定はあるが入社が数か月先である
- 在留期限が迫っている
- 過去に在留資格変更が不許可になったことがある
- 留年・休学・出席率など学業面に問題がある
- 転職・退学等の経緯が複雑である
33.よくある質問(FAQ)
Q1.大学を卒業すれば就労ビザに変更できますか?
いいえ。
大学卒業は重要な要素ですが、それだけで許可されるわけではありません。
就職後の仕事内容が希望する在留資格に該当することや、本人の学歴・専門性との関係、雇用条件、会社の状況などを確認する必要があります。
Q2.日本の大学を卒業していれば、専攻と違う仕事でもできますか?
仕事内容によります。
専攻と仕事内容との関係がどの程度認められるかは、個別具体的に判断する必要があります。
特に「技術・人文知識・国際業務」では、実際の仕事内容と本人の専門的知識等との関係が重要です。
Q3.留学の在留期限が残っていれば、そのまま働けますか?
原則として、卒業後に就労資格に該当する仕事をする場合には、その仕事に対応した在留資格が必要です。
現在の在留資格とは異なる活動を行う場合には、速やかに在留資格変更許可申請を行う必要があります。
Q4.卒業したけれど就職先が決まっていません。すぐに帰国しなければなりませんか?
必ずしもそうとは限りません。
一定の要件を満たす場合、卒業後も就職活動を継続するための「特定活動」への変更が認められる場合があります。
具体的な要件を確認する必要があります。
Q5.内定はありますが、入社が4月です。それまで日本にいられますか?
一定の要件を満たす場合、内定後から採用までの期間について「特定活動」への変更が認められる制度があります。
卒業時期と入社時期が離れている場合には、早めに確認することをおすすめします。
Q6.アルバイトを続けながら就職活動できますか?
「留学」の在留資格でアルバイトをする場合には、原則として資格外活動許可が必要です。
卒業後は在留資格そのものが変わる可能性があるため、現在持っている資格外活動許可だけを前提に判断するのではなく、卒業後の在留資格と活動内容を確認する必要があります。
Q7.専門学校を卒業した場合も就労資格へ変更できますか?
可能な場合があります。
ただし、専門学校で修得した内容と就職後の仕事内容との関係などを確認する必要があります。
大学卒業者と同じように考えるのではなく、修了した専門課程と実際の職務内容を具体的に確認することが重要です。
Q8.会社が必要書類を全部準備してくれますか?
会社側で準備する資料と、外国人本人が準備する資料があります。
また、会社のカテゴリー等によって必要書類が異なります。
そのため、会社と本人が役割分担して準備することが重要です。
📘まとめ
留学生が日本企業に就職する場合、単に「大学を卒業したから働ける」というわけではありません。
重要なのは、
① 実際の仕事内容を確認する
まず、就職後に何の仕事をするのかを具体的に確認します。
② 仕事内容に対応する在留資格を選ぶ
「技術・人文知識・国際業務」を含め、仕事内容に適した在留資格を検討します。
③ 学歴・専攻との関係を確認する
特に「技術・人文知識・国際業務」では、本人の専門的知識等と仕事内容との関係が重要です。
④ 会社側の資料も準備する
在留資格変更は本人だけの問題ではなく、就職先となる会社についても確認されます。
⑤ 卒業後の在留資格を放置しない
就職先が決まっていない場合や、内定後に入社まで期間がある場合には、「特定活動」など別の在留資格を検討できる場合があります。
⑥ 採用前から準備する
最も重要なのは、
「採用した後に在留資格を考える」のではなく、「採用する段階から在留資格を確認する」
ことです。
外国人留学生を採用する企業では、
学歴・専攻 × 仕事内容 × 雇用条件 × 会社の事業内容
を一体として確認することをおすすめします。
📞 留学生の就職・在留資格変更でお困りの方へ
留学生の採用では、
「この仕事内容で在留資格を変更できるのか?」
「大学の専攻と仕事内容が違うが大丈夫か?」
「専門学校卒業でも申請できるか?」
「卒業後、就職活動を続けるにはどうすればよいか?」
など、採用前に確認しておきたいポイントがあります。
当事務所では、留学生の就職に伴う在留資格変更について、仕事内容・学歴・雇用条件・会社の状況を確認しながら、申請に必要な準備をサポートしています。
「就職先が決まったけれど、どの在留資格に変更すればよいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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※本コラムは、留学生の就職に伴う在留資格変更についての一般的な情報を提供することを目的としたものであり、個別案件についての法的助言を行うものではありません。必要書類や審査の取扱いは変更される場合がありますので、実際に申請する際には最新の出入国在留管理庁の情報をご確認ください。







